素朴なだんごは、味覚を育てる。

原料は、自社栽培した岐阜米『初霜』のみ。なにも入れない団子には、雑味がない。醤油は、米本来の風味を感じることのできるものを使用。噛むほど広がる米の甘みと風味は、子供は敏感に感じる。大人よりも、味蕾(みらい)と呼ばれる味覚センサーが多いことと、経験による先入観が小さいことが理由らしい。
いずれ『きな粉団子』や『あんこ団子』も作るけど、甘くて美味しい団子じゃない。きな粉の『大豆』、あんこの『小豆』。素材の風味を感じる団子を作りたい。

風味の楽しめる団子。風味が楽しめるから、ホッとできる。風味が楽しめるから、笑顔になる。風味が楽しめるから、人に伝えたい。私たち大人でも感じられる風味。子供たちは、いったいどれほど感じているのだろうか。『子供に食べさせたい』、皆がそう思える団子。

そんな団子を作りたい。


だんご1本130円という値段。

だんご1本130円。「高いっ」と言われることがよくある。
値段を決めるのは、「味」や「コスト」だけじゃない。
この団子には、「夢」がある。
この団子を通して、生まれ育った地元の「農」を元気にしたい!
この団子を通して、地元の「雇用」を増やしたい!!

この団子を通して、地元を「誇り」に思って欲しい!!!

この団子を通して、岐阜、輪之内町を知ってもらいたい!!!

この団子があるから、地元で働く人が増え、地元に住む人が増え、地元に戻ってくる人が増え、こうして、たくさんの人が増えることで、楽しく明るい町づくりができる。

この団子には、とても大きな夢がつまっている。
そんな団子を作りたい。


無添加だんご、だからこそ。

砂糖を入れることで、団子の柔らかさは長持ちする。だけど、入れない。

砂糖すら入れない団子は、すぐに固くなる。できる限り焼きたてを食べて欲しい。

砂糖すら入れない団子だから、幼い子供にも勧められる。

砂糖を入れないから、米に甘みがあることを知る。米の甘みが美味しいと感じる。

個人的に砂糖は大好きだが、特に小さくて可愛いお客さんには、甘くない昔ながらの団子を食べて欲しい。

添加物を入れれば、カビにくい団子ができる。だけど、入れない。

自然の団子を食べて欲しいから。


行き着いた醤油は、飛騨高山の醤油。

日本の醤油醸造所は、1600社ほどあるという。
そんな中、大手の醤油、地元の醤油、地方の醤油、様々な醤油を試した。

試した中で、一番団子を引き立ててくれたのが、飛騨高山にある明治23年創業の「日下部味噌醤油醸造」の醤油だった。

岐阜米「初霜」の風味と甘み、醤油の旨みと香ばしさ、これ以上ない組み合わせだ。


だんごが焼けるとき。

ジュワッ

団子を焼き台の上に置いたとき、余分な醤油が垂れて、一瞬にして蒸発する音。


チチッ、、チリチリチリ、、
団子に塗られた醤油の水分が蒸発し、団子の表面が焼け出す音。


プシュ~

団子の中にある水分が蒸発し、外に抜け出す音。


この小さな音を聞きながら、焼くのが楽しい。


立ち込める醤油の香ばしい薫りをかぐ。


純白の団子と醤油色が交わった色を見る。


一本の団子が焼けるときにも、ドラマがある。


その日、食べるだんごは、その日作る。

米の澱粉は、水と熱を加えると美味しくなる。時間の経過で、冷えて固くなる。ご飯と一緒だ。

炊きたてのご飯が美味しいように、出来たての団子は美味しい。だから、できる限りその日食べる団子は、その朝に作る。数が多い時は、前日から作る。小さな工房で作る団子は、一時間に100本ほど。蒸し時間、水の量、こねる時間、水の温度、ちょっと変えるだけで、団子の食感は変わる。

焼き上がりの団子を想像しながら、グラム単位で水を量り、団子を作る。

美味しいと思えるものだけを食べて欲しいから。